転ばぬ先の村上春樹

村上春樹を読んだのは26歳のときで、その頃のあたしは依存症でメンヘラな性格な上にオマケに職場の6歳も年下の二十歳の男の子に恋までして、ひどくややこしくめんどうな森にひとりで迷い込んでた。

 

もちろん最初に読んだのは、ノルウェイの森

 

わたしが中学生のときのベストセラーだったのだけど、月刊リボンに夢中だった幼いわたしはスカンジナビア半島あたりの動物の話かなんかだと思っていてなんでこんなにこの本売れとるねん、と不思議に思ってるくらいで特に読もうなんて興味も持たなかったのだけど緑と赤の装丁だけはずっと脳裏に焼き付いてた。

 

26歳のとき、初めて梅田の紀伊国屋書店で何気なく「100パーセント恋愛小説」と書かれた帯に惹かれて(恋してたから)、これ動物の話じゃなかったのか〜と何となく上巻を買ったのが、運の尽き。

 

100万回読んだと言ってもいいくらい何度も何度も読んだ。

 

どちらかというと根暗な直子やハツミ系女子だったわたしは緑に強く憧れて、料理をしたり、緑だったらこう言うだろとか緑だったらこうするだろうをスローガンに素っ頓狂な言動をわざとしてみたり、もう好きな人に緑っぽいね、と言われたいがために生きていた(実際、最後はそう言わしめた)。

まあとにかく今思うと恥ずかし過ぎてこの手であの頃の自分をぶん殴りに行きたい。

 

ノルウェイの森には、必ず自分を投影してしまう登場人物がいると言われたりするがそれは読んだ時によって変わる。

今、自己投影できるのはレイコしかいない。

歳をとったんだ、と思う。

 

 

村上春樹の話に感じではまだまだ100個くらいエピソードがあるけれど、今日はこのへんで。

 

ひとつ、ノルウェイの森で悲しいことは

映画化されたことにより小説を読んで思い描いていた緑が完全に水原希子のイメージに塗り替えらたこと…

水原希子は好きだけどね…視覚的影響は恐ろしい。